小豆島で暮らし、はたらく。

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自営業・フリーランス

店を継ぐというより、
想いをつなぐ仕事。

根本ゆうすけさん

「Cupid & Cotton」

海を見下ろす小高い丘の上に、オランダ風の風車小屋が建っている。

小豆島の人気スポットのひとつでもある「Cupid & Cotton Dutch Café」。瀬戸内海を眺めながら食事やお菓子を楽しめるこの場所には、家族の歴史と人とのつながりが息づいている。

店を営む根本さんは、一度島を離れた後にUターンした。もともとはお母さんが続けていた店だったが、一人で続けていくことが難しくなったことをきっかけに、自ら店を引き継ぐことを決めたという。

店の象徴でもある風車小屋は、お父さんが長い年月をかけて自ら建てたものだ。オランダ出身のお父さんとお母さんが育ててきた場所を、今度は息子である根本さんが受け継いでいる。

「受け継ぐ」と聞くと、昔の姿をそのまま守ることを想像するかもしれない。

けれど根本さんは、オランダというテーマに縛られるのではなく、異国情緒のある空間と島らしいゆったりした時間を掛け合わせながら、新しい店づくりを続けている。

その中で大切にしているのは、お客さんだけでなく、一緒に働く人たちの居場所になることだ。

島で人を雇う難しさを経験する中で、毎週決まった時間に働ける人だけを探すのではなく、「今日なら少し手伝える」という人たちとも関わるようになった。

すると少しずつ、この場所を支えてくれる人が増えていった。接客が得意な人もいれば、裏方の細かな作業が得意な人もいる。根本さんは、それぞれの得意なことを活かせる形を考えながら店を運営している。島で働く魅力について尋ねると、同業者同士の距離の近さを挙げてくれた。飲食店同士でイベントに声を掛け合ったり、相談したり、ときには助け合ったりする。競争だけではない関係性があることが、仕事を続ける支えになっているという。

もちろん島で商売を続けることは簡単ではない。

観光シーズンには多くの人が訪れる一方で、冬になると人の流れは大きく減る。そんな季節の変化に備え、お菓子のネット販売にも取り組んでいる。来店した人が島を離れた後もつながり続けられることが、次の季節に再び足を運んでもらうきっかけにもなっているそうだ。

風車小屋を受け継ぎ、店を続ける。

その仕事の先にあるのは、単に食事やお菓子を提供することではない。人が集まり、支え合い、それぞれの居場所になっていく。

Cupid & Cotton Dutch Caféには、そんな島らしいつながりの風景が広がっていた。

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